はじまりのうた(BEGIN AGAIN)
2014年 アメリカ 1時間44分
監督:ジョン・カーニー
脚本:ジョン・カーニー
キャスト:キーラ・ナイトレイ
ジェームズ・コーデン
あらすじ
ミュージシャンの恋人デイヴと共作した曲が、映画の主題歌として採用されたのを機に、彼とニューヨークで暮らすことになったシンガーソングライターのグレタ。
瞬く間にデイヴはスターとなっていき、2人の関係の歯車に狂いが生じ始め、さらにデイヴの浮気が発覚する。
家を飛び出したグレタは、旧友(スティーブ)の売れないミュージシャンの家で居候を始める。
そんなある日、スティーブは失意のグレタを励まそうと、こじんまりとしたライブバーへ連れて行き、無理やり彼女をステージに上げる。
グレタが歌っているところに偶然居合わせた、落ち目の音楽プロデューサー(ダン)の目に止まり、ダンはグレタに一緒にアルバムを作ろうと持ちかけ…。
感想
私の大好きな映画ベスト10に入る作品で、Huluで観れるのに気づいてめちゃくちゃテンションが上がった映画です(笑)。
キャラクター1人1人が魅力的で、観てるとどんどん引き込まれていきます。
失恋したグレタと、会社では上手くいかず家族とも擦れ違うダン。
「喪失感」を抱えた2人が、アルバム作成を通じて前を向いてゆく姿に、とてもワクワクさせられます。
そして、曲がとにかく素敵!(予告編で一部流れています♪)
全てオリジナル曲なのですが、恐ろしいことに全ての曲がいい!!
見終わった後、速攻でスマホに曲をダウンロードしてしまいました(笑)。
キーラ・ナイトレイの歌声も、少しハスキーで優しい感じが素敵!
ぜひ歌手デビューしてもらいたいです。
また、手持ちカメラで撮っているようなシーンが多く、彼の代表作「onceダブリンの街角で」を彷彿させます。
おしゃれでアーティスティックな印象の映画です。
さらに、「Sugar」でおなじみのMaroon 5アダム・レヴィーンが、主人公の恋人役として出演しています。ライブのシーンもあって、Maroon 5ファンは必見の映画!
ちなみに裏話ですが、アダムはこの監督さんの大ファンで、監督に声をかけられた時は「どんな犠牲を払ってでもこの作品に関わりたい!」と思ったそう。
「はじまりのうた」はノーギャラで出演したとのことです(笑)。
「はじまりのうた」を観た人へ(ネタバレ)
「最後の終わり方がいまいちよく分からなかった…」と言う友人がいたので、個人的な見解を書いていきます。
ラストは元恋人デイヴのライブを見に来る、主人公のグレタが描かれています。
グレタは笑顔でデイヴを見つめ、すごくいい感じの雰囲気で復縁するのかと思いきや、突然涙を流したグレタはライブ会場を去り、そして自転車を漕ぐシーン。
実は、デイヴとグレタがベンチで会話をしているシーンで、グレタは「Lost starsはアレンジしないでほしい」ということを伝えています。
ところが、デイヴは「この曲をやると盛り上がるんだ。客が一斉に喜んでくれる!」と話します。
別れ際にデイヴはグレタをこのライブに招待し、それに対してグレタが「このアレンジは嫌…」と一言言って去っていく。
グレタの要望通り、ライブ当日では「特別な曲を、彼女のアレンジで歌います」と宣言し、デイヴはバラードの曲調でLost starsを歌い出します。
しかしこのLost stars、よく聞くと少しずつお客さんの歓声につられるように、少しずつバラードからポップ調のアレンジに変化しているんです。
そのことに気づきつつも、ペースを戻せないアダム。
そして、自分たちの曲として作った曲を、万人受けするようにアレンジして歌うアダムの姿に、「自分たちの思い出よりも、客の評価を優先したんだ」と悟るグレタ。
分かり合えないことに気づいた彼女は、失恋の涙を流した後、恋にけじめをつけて清々しい表情で自転車をこぐ姿が描かれているのかなぁ…なんて思いました。